月刊誌『BE・LOVE』で絶賛連載中、競技かるたに情熱を注ぐ主人公・綾瀬千早の青春を描いた少女漫画『ちはやふる』。
2022年2月時点でコミック最新48巻まで発売されており、累計発行部数2700万部を突破しています!
また、2011年にはTVアニメ化がスタートしており、2019年10月に第3期の放送がされました!
さらに、2016年には「上の句」と「下の句」の二部作という形で実写映画化され、200万人を超える観客動員数を記録しました!
今回は、そんな大人気作品『ちはやふる』の登場人物(キャラクター)を一覧にしてまとめてみました!
[itemlink post_id=”21246″]▼瑞沢高校かるた部
綾瀬 千早(あやせ ちはや)
CV:瀬戸麻沙美 、実写版:広瀬すず
瑞沢高校かるた部の主将にして、創設メンバー。『府中白波会』所属。「日本で一番は世界で一番」という新の言葉に衝撃を受けてかるたにのめりこむようになる。
モデルの姉がおり、自身も容姿端麗だが動くと台無しになるため、周囲からは無駄美人と言われている。顧問の先生に「部長は綾瀬さん以外で」と言われてしまうほど、かるた一筋で周りが見えなくなることが多く、一人で突っ走ってしまう傾向がある。それでも、かるたを共にする仲間やライバルへの思いは強く、部員勧誘にも人一倍熱心に取り組み、将来の夢はかるた部の顧問(指導者)になるため、高校の教員を目指すほどである。
ライバルであるクイーンに対して、お気に入りのダディベアのサイン入りタオルを切り裂いてピンチを救うなど、その性格は清く真っすぐ。その真っすぐさ故に試合で駆け引きができなかったり、相手の言葉に流されて揉めるとすぐに引いてしまったりして原田先生や肉まんくんに怒られている。
試合では、天性の『感じの良さ』を武器に「音になる前の音」を聞き分けて戦い、力を出し切れた試合の後は目を開けたまま倒れるように眠ってしまう。得意札は「ちはやふる」のほかに「ふくからに」、「せをはやみ」などの一字決まりの札で、その札をとれるかどうかで試合の流れが変わってくる。
真島 太一(ましま たいち)
CV:宮野真守 、実写版:野村周平
瑞沢高校かるた部の部員にして、創設メンバー。『府中白波会』所属。千早とは小学生のころからの幼馴染で思いを寄せている。医者の父親と教育熱心な母に育てられ、容姿端麗で頭もよく、運動神経も優れているため、地味なかるたを続けることに反対されている。
一時は、かるたでも恋愛でも新にコンプレックスを抱いていたが、「青春を全部賭けてから(新より強くはなれないなんて)言いなさい」という師である原田先生の言葉によって、高校の三年間をかるたに賭けて戦うことに決める。
当初は、「名人を目指していないし、勝てなくてもいい」と言っていたが、試合に勝つ喜びや負けた悔しさを経験してその思いは変化し、やがては名人に挑戦していく。
特に記憶力がトップクラスに優れており、札の配置だけでなく、試合中に読まれた札まで正確に記憶できる。しかし、お互いの札が一枚ずつになる運命戦になると、自陣の札は決して読まれないという悪運の持ち主。
「ちはやふる」の札には特別な思いを持っており、千早の存在自体も試合では弱点となってしまう。
小学生の頃に新の眼鏡を隠し「卑怯なやつやの」と言われて以来、自分の中のずるい部分に引け目を感じているが、須藤や周防名人との出会いによってそれを武器に変えていく。
綿谷 新(わたや あらた)
CV:細谷佳正 、実写版:新田真剣佑
瑞沢高校かるた部の部員。『福井南雲会』所属。永世名人の綿谷始を祖父にもち、幼い頃からかるたの英才教育を受けていた。小学校六年生の時に福井から東京へ転校してきて、千早や太一とかるたを通じて仲良くなり、チームを作って戦うようになる。しかし、祖父の介護のために卒業と同時に福井へ帰ることとなった。
介護の傍らかるたを細々と続けていたが、A級昇格をかけたかるたの福井大会へ出場中に祖父が亡くなってしまい、罪悪感から一度はかるたから離れてしまう。その後、福井まで会いに来た千早と真島のおかげで「もう一度かるたをやりたい」と情熱を取り戻し、福井南雲会の門を叩いた。
普段は冷静でおだやかに話すが、試合に負けると熱く燃えて鬼の形相となる。渡り手を得意とする水が流れるようなかるたをとり、その強さとオーラで相手をその流れに飲み込んでしまう。そのプレイスタイルは綿谷先生そのものと言われ、千早には「かるたの神様みたい」と言われている。
西田 優征(にしだ ゆうせい)
CV:奈良徹 、実写版:矢本悠馬
瑞沢高校かるた部の部員。『翠北会』所属。あだ名は『肉まんくん』。部内で最もかるた歴が長く、五歳からのかるた経験によって磨かれた「流れの読み」が冴えわたる。
肉まんを口にくわえた登場シーンが印象的で、体型も太っているが、中学時代にテニスをやっていたこともあり、運動神経は悪くない。師匠は翠北かるた会の北野先生で、守りがるたを競技スタイルとしている。
酷い言葉を吐き捨ててしまった太一へのフォローや、思いを伝えられない机くんの背中を押すなど男らしい部分があり、瑞沢かるた部を支える欠かせないメンバーである。
顔がそっくりな姉がおり、部員のチームTシャツはその姉の手作りによるものである。
大江 奏(おおえ かなで)
CV:茅野愛衣 、実写版:上白石萌音
瑞沢高校かるた部の部員。『翠北会』所属。あだ名は『かなちゃん』。呉服屋の一人娘で日本文化、特に平安文学をこよなく愛する大和撫子。和服を着たいという理由で弓道部に入っていたが馴染めず、かるた部を覗きに来ていたところを千早に捕獲される。
和歌に詳しく、意味の分かりづらい百人一首のイメージを膨らませ、色鮮やかなものにしてくれる。思い悩む部員に歌を詠んで心を救い上げる共感能力に優れている。
競技かるたでは決まり字で札を判別すること、和歌を最後まで聞かないことに不満を持っていたが、自分は歌の心を大事にしようと競技かるたの読手を目指すようになる。
試合には自らが広告塔となって袴で出場し、パンフレットを受付に置かせてもらうなど、呉服屋の宣伝を忘れず母子ともに商才がある。その芯の強さと振る舞いの美しさは時に会場を魅了し、美人の千早を差し置いて作品中一番のモテ女子といっていいだろう。
駒野 勉(こまの つとむ)
CV:代永翼 、実写版:森永悠希
瑞沢高校かるた部の部員。『翠北会』所属。あだ名は『机くん』。学年二位の秀才で、かつては常に机にかじりついて勉強をしていたが、「仲間にするなら畳の上で努力し続けられるやつがいい」という真島の言葉により、机を放り投げて入部を決意する。
当初は、経験者とのレベルの違いに肩を落とすが、暗記や戦略によって攻め込む余地があることにかるたの面白さを感じてのめりこんでいく。肉まんくんが経験で試合を読んでいくのに対して、机くんは記録したデータで統計的に試合を読むスタイル。
部内では書記としてすべての試合のデータをノートに残しており、仲間の強みや弱点、対戦相手の傾向などを記録分析する瑞沢のデータバンク的存在。同時期にかるたを始めたかなちゃんとは良きライバルであり、お互い励まし高めあう存在で思いを募らせていく。
筑波 秋博(つくば あきひろ)
CV:入野自由 、実写版:佐野勇斗
瑞沢高校かるた部の部員。北海道出身で「下の句かるた」の経験者。『府中白波会』所属。「上の句かるた」は未経験だったものの、千早たちのひとつ後輩で、有力な新入部員として期待される。
三人いる弟思いのお兄ちゃんだからこそ弟たちに見栄を張ってしまい、試合に出るためにこっそりメンバー表を書き換えて困らせてしまう。大会では変人の多いかるた界に翻弄されるが、試合を重ねると次期部長になってかるた部を受け継いでいく頼もしい存在となっていく。
試合の際は細い目が開眼し、舌を出す癖があって不気味な表情となる。
花野 菫(はなの すみれ)
CV:潘めぐみ 、実写版:優希美青
瑞沢高校かるた部の部員。『府中白波会』所属。真島太一に一目ぼれをしてかるた部へ入部した新入生。
当初は、かるたに興味がなく、恋愛体質で外見を気にしてメイクやおしゃれに気を配っていた。しかし、練習に臨む部員の熱意に心を動かされ、かるたを早く取りたいと思うようになると、綺麗にしていた爪を切る。
かるたに一生懸命になることで、そうすれば先輩に気持ちが伝わると信じて続けていたが、太一への恋が実らないことを悟ってからも部活を辞めることはなかった。
出場できない試合でも対戦相手の情報収集など勝利へ導くサポートを行い、先輩が抜けた後は後輩の指導を熱心に行い、かるた部に貢献している。
かるた会へは太一の後を追って白波会へ入会し、筑波の弟たちと練習を重ねてC級への昇格を果たした。
宮内 妙子(みやうち たえこ)
CV:藤田淑子→鳳芳野 、実写版:松田美由紀
瑞沢高校かるた部の顧問。通称「女帝」。テニス部との兼任する体育会系の教師で、当初かるたは遊びの延長と捉えていたが、練習風景をみてその情熱を知り、積極的に協力してくれるようになった。そのおかげで部員が少ないながらも練習に最適な部室を守りきることができている。体育会系らしい厳しい先生だが、不器用ながら大江母に聞いて手作りの襷を用意したり競技かるたの勉強をするなど、顧問としてかるた部を支えている。
▼北央学園かるた部
須藤 暁人(すどう あきひと)
CV:大原崇 、実写版:清水尋也
北央学園かるた部の主将。千早たちより二学年上で東京都予選決勝の対戦相手。「須藤のSはドSのS」と言われ、暗記時間に対戦相手の心をかき乱したり、試合中に相手を見下ろして自分のペースにもっていく。大会で負けた部員に駅まで走らせたりうさぎ跳びをさせるが、自らが先導していくため、恐れとともに強く尊敬されている。周りへの厳しさ以上に自分に厳しく、読手の講習会に通ったり、東京大学に入ってみんなが嫌がる名人との対戦に果敢に挑戦しつづけるなど勤勉で努力を惜しまない。
木梨 浩(きなし ひろ)
CV:中井和哉 、実写版:坂口涼太郎
北央学園かるた部の部員。あだ名は『ヒョロ』。千早たちの同学年。ヒョロットカードと呼ばれるカードを使って、団体戦の対戦相手のオーダーを占って的中させる能力を持つ。その結果をもとに自分を噛ませ犬として強敵にあて、チームを勝利へと導く。愛校心が強く、自分の勝利よりもチームの勝利を大事にするその姿勢は、チーム最弱の万年B級ながら部員に慕われる要因となっている。
肉まんくんの姉と交際しており、順調に交際を続けている。
甘粕 那由太(あまかす なゆた)
CV:本田貴子
北央学園かるた部の部員。小さい身体を生かした身軽な速い取りが特徴のA級選手である。千早たちの一つ上の学年。強い選手だが面倒なことを嫌って、楽をして勝とうとする性格で、そこには努力しても自分は名人位を狙う選手にはなり得ないという諦めがある。
持田 太(もちだ ふとし)
CV:阪口大助
北央学園かるた部の顧問。美味しい焼肉のにおいを身にまとっている。自身も名人を目指していると豪語するがそこまでの実力はなく、ぽっちゃりとした体形と感情が表情に出やすい性格故、生徒たちに親しみを持ってからかわれている。
▼富士崎高校
江室 凌雅(えむろ りょうが)
CV:小野友樹
富士崎高校かるた部の主将。守りが上手く、囲み手が得意な選手。メガネや体型が綿谷新に似ており、勘違いされたことがある。巨乳好きで、男子高校生らしい一面を持ち、部員からは「エロム」と呼ばれている。
山城 理音(やましろ りおん)
CV:高垣彩陽
富士崎高校かるた部の部員。千早と同学年。専任読手である山城今日子の孫。顧問の桜沢から次期エースとして期待されている。
千早に匹敵する『感じの良さ』を持つが、祖母の読みに慣れすぎているため、読みの美しさに対する好みが激しく、嫌いな読みだとモチベーションを維持できず、力を出せぬまま負けることが多い。
さらに、練習不足なうえ、喜怒哀楽の表情に乏しく、対人関係も苦手なため、他の部員から煙たがられていた。しかし、千早との対戦で負ける悔しさを学び、真剣に競技かるたと向き合うようになる。
山井 真琴(やまい まこと)
CV:斎賀みつき
富士崎高校かるた部の部員。千早の一学年上のA級選手。男だが美しさを追求しており、口調もオネエっぽい。しかし、競技かるたでは漢らしく力強いプレイをする。
当初は、後輩にあたる山城理音のことを快く思っておらず、事あるごとに辛辣な言葉を吐いていたが、彼女に恋していることに気づいてからは態度を急変させている。
桜沢 翠(さくらざわ みどり)
CV:林原めぐみ
富士崎高校かるた部の顧問。6歳から競技かるたを始め、クイーンにこそなったことは無いものの、過去に5回ほど準クイーンの座についたことがある元競技者。指導者としても優秀で、富士崎高校を全国大会の優勝常連校に成長させた実績を持つ。
単年で全力を出し尽くすのではなく、翌年、翌々年を見据えて部員たちを育てる方針で、全国大会の決勝戦でも容赦なく三年生を外し、下級生を起用して経験を積ませるなど、現実的で計算高い性格。
自身の競技経験から、長くかるたを続けるためには強靭な肉体が不可欠と考えており、運動部さながらのトレーニングを部員に課している。
▼明石第一女子高校
逢坂 恵夢(おうさか めぐむ)
CV:松本さち
明石第一女子高校かるた部のエース。『明石会』所属。千早の一学年上のA級選手。高校二年の時、クイーン戦の西日本代表に選出されるも、挑戦者決定戦で東日本代表の山本由美に敗れる。
しかし、本人は勝敗やクイーン位にこだわりがなく、周りの期待に応えるため、練習を続けていた。
その後、全国大会の団体戦で千早と対戦し、白熱した試合の中で勝利への執念が芽生え、自らの意思でクイーン挑戦を目指すようになる。
夕部 慶子(ゆうべ けいこ)
CV:北西純子
明石第一女子高校かるた部の主将。千早の一学年上のA級選手。力強く、豪快な取りが持ち味。当初、逢坂をクイーンにするため、その練習相手として腕を磨いていたが、『純粋に強くなりたい』という自分の気持ちに気付き、自らもクイーン戦の予選に出場することを決める。
▼府中白波会
原田 秀雄(はらだ ひでお)
CV:石塚運昇→三宅健太 、実写版:國村隼
『白波かるた会』の会長で、千早や太一の師匠に当たる人物。「いつか白波会から名人を出すこと」を悲願として選手の育成に励み、千早や太一、若手の成長を温かく厳しく見守っている。
早く取りすぎる千早に「早く取るのをやめなさい」と注意したり、諦めかけた太一に「青春を全部賭けてから」と言ったりと、呪いのように重くのしかかる言葉をかけることもあるが、指導者としての真意がそこにはある。
その反面自身で名人になることも決して諦めてはおらず、その戦い方は「知的な熊」と言われるほど激しく、力強い攻めがるたで、相手がだれであっても手を抜くことはない。声を張り上げる威嚇や、その試合に対するしぶとさから苦手意識を持つ選手は数多い。
坪口 広志(つぼぐち ひろし)
CV:高橋研二 、実写版:田村健太郎
『白波会』所属のA級選手。名人戦東日本代表にもなる実力の持ち主。原田先生の影響を受けた攻めがるたで、対戦した新は「原田先生が奥にいる」と感じている。大学卒業後は朋鳴高校のかるた部顧問となって、千早たちのいる瑞沢高校かるた部と対戦する。千早と太一の性格やプレイを熟知しているため、実力差はあるのに接戦に持ち込むほどの指導力がある。
▼福井南雲会
栗山 勇(くりやま いさみ)
CV:村上裕哉
『福井南雲会』の会長。原田先生とは幼馴染でライバルだったが、膝を痛めて現在はプレイヤーではなく指導者や運営としてかるたに関わっている。綿谷名人とも旧知の中で、新の知らないかるた界での綿谷名人の話を聞かせてくれる。
村尾 慎一(むらお しんいち)
CV:うえだゆうじ
『福井南雲会』に所属するA級選手で、新の先輩。名人戦の挑戦者として周防に挑むが、その圧倒的な力の差を目の当たりにして競技かるたから離れてしまう。いったん離れると後悔するといって新は自宅に通い、復帰するよう声をかけ続けていた。復帰後は大会で活躍し、高校の全国大会で競技進行のサポートとして運営にはいるなど、選手としてだけではなく、かるた界に貢献している。
▼翠北会
北野 昌夫(きたの あきお)
CV:佐藤健輔
『翠北会』の会長。肉まんくん曰く、対戦形式が中心の白波会に対し、「(師匠は)基本を教えるのがうまい」ということで、机くんやかなちゃんは白波会に入会している。原田先生とは犬猿の仲で、しばしばそのプレイスタイルに文句をつけている。
山本 由美(やまもと ゆみ)
CV:甲斐田裕子
『翠北会』に所属する前クイーン。ユーミンと呼ばれているが、試合中にもめて相手のペースを乱していくプレイスタイルから「モメユミ」とも呼ばれている。クイーン位を奪われ、若宮クイーンの強さを前に情熱を失いかけたが、再び銀行員として働きながらもクイーン奪還を目指している。
▼その他
若宮 詩暢(わかみや しのぶ)
CV:中道美穂子 、実写版:松岡茉優
現クイーン。中学三年生で最年少クイーンとなり、そのまま不動の地位とした天才。ゆるキャラのスノー丸が大好きで、常にキャラクターグッズを身に着けており、独特なファッションセンスの持ち主。
京都出身で、嫌みのある言い方と高慢な京都弁で相手を牽制する。強敵が現れ闘争心が揺さぶられると「クイーンスマイル」と呼ばれている微笑みを見せる。
幼少期にかるた会で出来た友達に手加減をして勝たせていた過去があり、「友達なんかおらんほうが強くなる」と一人で強さを探求している。
擬人化した札と対話し、札との繋がりを大事にした戦い方で、札の一点を狙う音のない美しく丁寧な取り方をする。運も札も戦いにおいて彼女の味方をしている。
余裕のある不敵な笑みが印象的だが、千早たちと同じ学年の高校生で、同級生との関係や試合前の体形維持、バイトがうまくいかないなど、普通の女の子らしい部分もあり、憎めない魅力がある。
周防 久志(すおう ひさし)
CV:東地宏樹 、実写版:賀来賢人
他の追随を許さない圧倒的な強さを持つ現名人。かるたの才能のひとつ「感じ」の良さは随一で、一字決まりが二十七枚あると言われている。しかし、強い選手にしか興味なく、ぼそぼそとしゃべることから「感じがいいのに感じ悪い」と評されている。
名人戦しか試合に出場することがなく、試合前の二か月間のみ練習するのだが、それでも圧倒的な強さを誇る。相手のミスを誘う攻め方で、枚数差までもコントロールして試合を操るため、「彼と対戦するとかるたが嫌いになる」とまで言われている。
親代わりに育ててくれた叔母から「ひとかどの人間になりなさい」と言われ、かるたでならひとかどの人間になれると思い、三年で名人位を獲得し、連覇を重ねている。
かるたを始めたきっかけは大学で好みのタイプの上級生に勧誘されたからで、女性に対しては純粋すぎるのか「嫁!」とときめいては失恋をしている。
和菓子好きで、試合会場ではA級選手に和菓子を配ったり、留年し続ける大学の部活内では後輩たちにあんみつを作って配ったりしている。
猪熊 遥(いのくま はるか)
CV:坂本真綾
『高砂会』所属のA級選手。かつてクイーン位を4連覇している実力者。出産のため、競技かるたを休んでいたが、母親としてクイーンになるべく、競技かるた界に復帰した。
旧姓が千原のため、「ちは」の札を得意とし、現クイーンの若宮詩暢を上回る『感じの良さ』が武器。
富士崎高校の顧問である桜沢翠とは、かつてクイーン位を争ったライバルであったが、今では子供の名前に『翠』と名付けるほど、親しい友人になっている。
山城 今日子(やましろ きょうこ)
CV:芹野恵子(読手)、荘司美代子(セリフ)
7名しかいない専任読手のひとり。山城理音の祖母。彼女の詠みは、とりわけ美しく、歌の背景や情感などの情報量が多いと評されている。若い頃はクイーン位を8期も務めた永世クイーン。
綿谷 始(わたや はじめ)
CV:有本欽隆 、実写版:津嘉山正種
1980年代に名人位を7連覇した記録を持つ永世名人。綿谷新の祖父。新が小学校6年生の時に脳梗塞で倒れ、それが原因で半身麻痺になってしまう。その後、片手でかるたを取れるようにリハビリしていたが、認知症を併発し、かるたのことも分からなくなった。