2016年に公開され、社会現象を起こすほどのヒットを収めた映画『君の名は。』
2人の主人公の間に時空を超えた「入れ替わり」が起こり、壮大なスケールで繰り広げられるラブストーリーは、多くの反響を集めました!
今年2019年の7月には、本作を手掛けた新海誠による新作『天気の子』も公開され、こちらも大きな話題となっています!
さて、映画『君の名は。』とはどんな映画だったのか、振り返ってみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、『君の名は。』に登場するキャラクターについてご紹介しながら、ネタバレを含みつつ本作のストーリーについて振り返っていきます。
[itemlink post_id=”21332″]▼あらすじ&ネタバレ(瀧視点)
(1)三葉との入れ替わり
2016年9月に宮水三葉との「入れ替わり」を初めて経験するが、現状を理解できなかったらしく三葉のノートに「お前は誰だ?」という書き込みを残す。
それから約1か月の間、入れ替わり現象が起こっている間は三葉の姿になって岐阜県飛騨地方の田舎町である糸守町で生活することになる。
実は瀧が入れ替わっている三葉は2013年の三葉であり、瀧は過去へと入れ替わっていることになる。
三葉との間に「入れ替わりが起こっている間はそれぞれの生活を守る」という約束を定め、入れ替わっている日に自分が行ったことの記録をスマホのメモ帳に残すという方法を用いて三葉とやり取りをする。
三葉と入れ替わっている間は、授業中に三葉の陰口を言うクラスメイトにあてつけるかのように机を蹴倒したり、体育の授業のバスケットボールで活躍したりするなど、男らしく振舞う。
その結果、女子の後輩からモテて告白されるなど、三葉の人間関係を操作することを楽しんでいる様子が見られる。
(2)実際に糸守町を訪ねる
入れ替わっている間に三葉が勝手に取り付けた奥寺先輩とのデートに失敗した日から、三葉との入れ替わりが突然なくなってしまう。
入れ替わりを通して打ち解けつつあった三葉との繋がりを失ったことによって、三葉や三葉が暮らす糸守町への気持ちが強くなり、ある日思い立って司と奥寺先輩と共に岐阜県の飛騨地方に出向き、三葉の暮らす糸守町を探す旅に出る。
しかし、瀧が訪ねた糸守町は、3年前の隕石落下事故によって町の大部分が崩壊し立入禁止地区となっており、自分が数週間前に過ごしたはずの糸守町の穏やかな様子とは似ても似つかない状況に愕然とする。
近隣の民宿で宿を取りながら糸守町の情報を集めるうちに、3年前の2013年に地球に最接近した彗星が分裂して糸守町に落下したこと、三葉や三葉の祖母一葉、妹の四葉、三葉の友人である克彦や早耶香が全員隕石落下事故の犠牲になりすでに死んでいることなどを知る。
衝撃の事実を目の当たりにするうちに、自分が入れ替わっていた糸守町での日々の記憶が急激に薄れていく。
しかし、一葉から話を聞いていた宮水家の風習である「ムスビ」を思い出して、隕石落下の被害を免れた場所にある宮水神社のご神体に単身で乗り込み、三葉が作った「口嚙み酒」を飲むことで三葉との「ムスビ」を試み、再度三葉との入れ替わりに成功する。
(3)最後の入れ替わり
瀧が入れ替わった三葉は、彗星が糸守町に落下する当日の三葉だった。
建築会社の息子である克彦、放送部の早耶香を巻き込んで、糸守町の人々を安全な場所に避難させる計画を実行する。
三葉となった瀧は、糸守町長であり三葉の父である俊樹を説得しようと試みるも、三葉自身のものではない言葉は俊樹に届かず失敗する。
自分の姿と入れ替わって宮水神社のご神体で眠っているはずの三葉を探しに山頂へ行くと、「カタワレ時」が訪れて、瀧と三葉はそれぞれ本来の姿で再会することができた。
2人は出会うことができて喜ぶも、瀧は三葉に時間がないことを告げ、生き延びるよう説得する。
そして三葉への想いを彼女の手のひらにペンで綴るが、書き終わった瞬間に三葉の姿は消え、それと同時に全ての記憶が失われていき三葉の名前すら思い出すことができなくなり慟哭する。
(4)入れ替わりから5年後
三葉との入れ替わりの一件以来その間の全てのことは記憶になくなっているものの、ずっと何かを探しているような感覚に陥っていた。
大学4年になり就活シーズンを忙しく過ごしているが、就活はうまくいっておらず、何を求めているのかさえも自分でもよくわかっていないと感じている。
そんなある日、東京で暮らしていた三葉と電車ですれ違い、自分が探していたものが何だったのかをようやく悟るのであった。
▼あらすじ&ネタバレ(三葉視点)
(1)瀧との入れ替わり
自分が巫女として「口嚙み酒」を作る儀式を行っているところをクラスメイトが揶揄している様子を見てしまったことをきっかけに、糸守町での暮らしへの不満が爆発して「来世は東京のイケメン男子になりたい!」と願いをぶちまける。
すると次の日の朝、「入れ替わり」が初めて発生し、都会っ子の男子高生である瀧の姿になっていた。しかし、三葉はそれが夢だと信じて疑うことなく、つかの間の都会生活を思い切り楽しむ。
(なお三葉が入れ替わっているのは2016年の瀧で、三葉は未来へと入れ替わっていることになる。)
得意な裁縫の技術を生かし、バイト先でトラブルに遭った奥寺先輩のスカートを可愛く繕うが、それがきっかけとなって瀧と奥寺先輩の距離を縮めることになる。
瀧との入れ替わりが発生している間は、瀧の金を使ってカフェであらゆるスイーツを堪能するなど都会生活を満喫するも、自身の散財のせいで瀧によりバイトのシフトを多く入れられるなど、苦労している。
(2)東京の瀧に会いに行く
糸守町にティアマト彗星が最接近する日に、自分がデートするつもりで奥寺先輩とのデートの予定を入れるが、折り悪く前日に瀧と入れ替わってしまう。
自分では自覚していないが瀧に惹かれつつあった三葉は、瀧と奥寺先輩のデートの前に瀧と会ってみようとふと思い立ち、学校をサボって東京へ足を運ぶ。
しかし、東京で出会った瀧は自分のことを少しも覚えておらず、「お前、誰?」と言われてしまう。
このことにより大きなショックを受けるものの、少しでも瀧との繋がりを残すため自分の髪を結っていた赤い組紐を瀧に渡し、糸守町へ帰って長い髪をバッサリ切る。
(なおこの組紐は、2016年まで瀧はなんとなく大事にとっておき、ミサンガとして身に着けることとなる。)
その翌日、分裂したティアマト彗星が糸守町に落下する事故に巻き込まれて三葉は死亡する。
(3)「カタワレ時」に瀧と再会
瀧が「口嚙み酒」を飲んで三葉との「ムスビ」を試みた結果、三葉はご神体の近くで瀧の姿に入れ替わっていた。彗星が落下したときの記憶も残っており、一度自分は死んでいることも自覚している。
やがて「カタワレ時」が訪れ、瀧とお互いの本来の姿で再会を果たし、涙を流して喜ぶ。「カタワレ時」が終わって瀧の姿が消えてしまった後も、瀧との約束を果たすべく避難計画を実行するため奔走する。
一旦計画が失敗し、絶望的になったことで瀧との一連の記憶が薄れかけるが、自分の右手に瀧が書いた「すきだ」の文字を見て再度奮起し、町長である父俊樹の元に走り説得を試みる。
(4)彗星落下から8年後
ティアマト彗星の落下事故により糸守町が被害を受けたため引っ越し、8年後は東京に移り住んで社会人として働いていた。(実際の年齢は瀧より3歳年上で、24~25歳。)
瀧と入れ替わっていた時のことについての記憶は失われているが、瀧と同様ずっと何かを探しているという感覚を持ち続けていた。
そんな中、電車ですれ違った瀧と目が合ったことで、自分の探し求めていたものが何だったのかを理解するのであった。
▼登場人物(キャラクター)
立花 瀧(たちばな たき)

CV:神木隆之介
東京の高校に通う都会っ子で、17歳の男子高校生。父親と家事を分担しながら2人暮らしをしている。
美術と建築に興味があり、主に風景画をスケッチするのが得意。放課後は友人である司と高木と一緒にカフェ巡りをするのが趣味。
イタリアンレストラン「IL GIARDINO DELLE PAROLE」でアルバイトをしていて、バイトの同僚である奥寺先輩にひそかに想いを寄せている。
お守りとして、記憶にない誰かにもらった赤い紐をミサンガにして腕に巻いている。
宮水 三葉(みやみず みつは)

CV:上白石萌音
岐阜県飛騨地方の山奥にある田舎町である糸守町で暮らす17歳の女子高生。飛騨方言訛りの言葉を話す。裁縫が得意で、可愛いものが好き。
由緒ある宮水神社の宮司を務める宮水家の長女で、宮水神社の巫女として家業の手伝いをしている。その風習の1つとして、妹の四葉と2人で伝統の舞を奉納し、「口嚙み酒」を作る儀式がある。
また、祖母一葉の教えの元で「組紐」を編むことも宮水家の風習である「ムスビ」の1つであり、三葉の髪を結い上げている赤い紐も伝統の組紐である。
祖母の一葉、妹の四葉と3人で暮らしている。母親は幼い時に亡くしており、別居中の糸守町長である父・俊樹とは折り合いが悪い。
友達は少なく、常にクラスメイトの克彦、早耶香とつるんでいる。学校の成績は良くない。
宮水家の風習を守り続けなければならないことの面倒さや、糸守町の人間関係の狭さ・不便さに嫌気がさしており、東京に出ておしゃれな店やカフェを満喫することを夢見ている。
奥寺 ミキ(おくでら みき)

CV:長澤まさみ
瀧のバイトの先輩。オシャレで美人な女子大生で、人気が高い。瀧にとっても憧れの女性である。
バイト先で、瀧と入れ替わっていて気もそぞろな三葉が暴漢に絡まれているところをフォローするが、報復としてスカートを切り裂かれてしまう。三葉(外見は瀧)にそのスカートを可愛く繕ってもらったことがきっかけで瀧と距離を縮め、デートを約束する仲になる。
入れ替わりのこともあり雰囲気が変わっていく瀧に徐々に惹かれるようになる。
飛騨旅行では様子のおかしい瀧を心配し、司と共に無理やり同行する。糸守町のことを調べ上げながら、瀧が三葉への想いを自覚していく様子をそばで見守り、瀧への恋心を断ち切る。
なお旅行先ではタバコを吸うことが判明する。
5年後、就活中の瀧と会った際は婚約指輪をはめており、婚約者がいる様子(裏設定ではこの婚約者は司)。就活がうまくいかず落ち込んでいる瀧に「幸せになりなさい」とメッセージを送り、別れを告げる。
勅使河原 克彦(てしがわら かつひこ)

CV:成田凌
三葉の高校の友人で通称「テッシー」。瀧によると「バカだけどいいヤツ」。糸守町では有力な建設会社である勅使河原建設を営む勅使河原家の一人息子。
自宅で町長の宮水俊樹を接待する父の姿を見て「腐敗の臭いがする」と皮肉を言うなど、父に対して思うところがあるらしく、三葉と同様人間関係が狭く小さい地元に対し微妙な心理を抱いている。
オカルトマニアで機械マニア。オカルト雑誌『ムー』を愛読している。糸守湖のできた経緯を調べるなど、過去の糸守町の隕石落下に関しても興味があるらしい。
三葉と入れ替わっている瀧から、ティアマト彗星が分裂し糸守町に落下することを告げられても、疑うことなく受け入れ住民の避難計画を一緒に立てた。計画を遂行する上で自分の家の会社である勅使河原建設から爆薬を持ち出し、発電所を爆発させるなど、犯罪行為をしてでも瀧に協力し糸守町を守ろうとする姿勢を見せる。
彗星が落下した8年後は東京で暮らしており、早耶香と婚約していて近々式を挙げる予定。
名取 早耶香(なとり さやか)

CV:悠木碧
三葉の高校の友人で、通称「サヤちん」。放送部所属。穏やかな性格をしており、克彦に密かに想いを寄せている。
三葉(中身は瀧)と克彦による糸守町民の避難計画に対しては肯定的な態度を取らないが、買い出しを引き受けるなど協力する姿勢を見せるだけでなく、ダミーの町内放送で糸守町民に避難を呼びかけるアナウンスを担当するなど重要な役目を果たす。
彗星落下事故の8年後は東京で暮らしており、克彦と婚約中。瀧が立ち寄ったカフェで、克彦と共に結婚式で着るウェディングドレスについて話す様子が見られる。
宮水 一葉(みやみず ひとは)

CV:市原悦子
三葉・四葉の祖母。82歳(2013年時点)。宮水神社の宮司。
娘である二葉の死後、娘婿の俊樹が宮水家を出て行った後は、1人で孫の三葉と四葉を育てる。
「繭五郎の大火」によって大半が失われた宮水家の風習やその意味を少しでも後世に引き継ぐため、三葉と四葉に教えを伝え優しく見守る。
三葉の入れ替わり体質について理解があり、三葉と入れ替わっている瀧の存在にも気づいた。自身も「少女の頃不思議な夢を見ることがあった」と語っていることから、入れ替わり体質が宮水家の女系家族に代々伝わっていることが示唆される。
宮水 四葉(みやみず よつは)

CV:谷花音
三葉の妹。9歳(2013年当時)の小学4年生。
しっかり者で、入れ替わりが発生していて様子のおかしい三葉の姿に困惑しながらも、かいがいしく世話を焼く。祖母一葉の教えのもとで、三葉と一緒に宮水神社の家業を手伝う。
藤井 司(ふじい つかさ)

CV:島﨑信長
瀧の高校の友人。バイト先も瀧と同じ。瀧・高木と放課後カフェ巡りをするのが趣味。
一見クールなように見えるが、瀧と三葉が初めて入れ替わった時に学校に遅刻しそうになる瀧を心配してメールを送るなど、世話好きな一面も見られる。
また、瀧が飛騨地方へと三葉の故郷を探しに出かけるときに、本来はアリバイ工作とバイトのシフトを変わってくれるよう瀧に頼まれているが、それらの役目を高木に預け半ば無理やり同行し、落ち着きがない瀧を見守る。
5年後の姿は、就活での好調ぶりを披露するほか、左手の薬指に指輪があることから婚約者がすでにいるなど充実している様子。なお、司の婚約者は奥寺先輩という裏設定があり、瀧と共に出かけた飛騨旅行で奥寺先輩との仲が接近したと考えられる。
高木 真太(たかぎ しんた)

CV:石川界人
瀧の高校の友人で、司と同様カフェ巡り仲間。バイト先も2人と同じで、瀧・司と同様建築に興味がある。外見は大柄で、体育会系。さっぱりした性格をしている。
瀧の飛騨旅行の際は、瀧のアリバイ工作とバイトのシフトを肩代わりする。
宮水 俊樹(みやみず としき)

CV:てらそままさき
三葉・四葉の父親で、糸守町の町長。54歳(2013年当時)。
町長選では地元の有力企業である勅使河原建設の強力なバックアップを受ける様子が見られ、黒い噂が絶えない。
宮水家の慣習には疑問を持っており、二葉の死をきっかけに宮水神社の家業を捨てて家を離れる。家を離れた後も三葉に対しては何かと厳しく当たり、父娘の仲は悪い。
三葉と入れ替わり説得しに来た瀧に対して、外見は自分の娘である三葉でありながら「お前は誰だ?」と問いかけるなど、宮水家の体質である入れ替わり現象に関する知識を持つ様子も見受けられる。
最終的には糸守町民が隕石落下事故から助かった理由として、俊樹の命令による町を挙げての緊急避難訓練を偶然行っていたためとされている。しかし真偽のほどや俊樹の意図は不明であり、週刊誌などに書き立てられることになる。
克彦の父

CV:茶風林
糸守町で最も強い影響力を持つ建設会社『勅使河原建設』の社長。町長の宮水俊樹とは結びつきが強く、町長選では全面的に支援する体制を取る。
克彦からすれば、社長である父と町長のやり取りを日頃から見ていることにより、父、あるいは田舎町の狭い人間関係に対する反感を招く原因となっている。
ユキちゃん先生

CV:花澤香菜
三葉が通う糸守高校の古典の先生。
作中では『万葉集』の和歌について解説しながら「黄昏時」の語源について説明し、糸守町では「カタワレ時」と呼ばれることについても明らかにする。
新海誠の前作『言の葉の庭』(2013)のヒロインであるユキノこと雪野百香里と同一人物。『言の葉の庭』との繋がりや時系列などの詳細は不明。
ラーメン屋のおじさん/おばさん

瀧たち一行が飛騨旅行の際に偶然立ち寄ったラーメン屋の店主とおばさん。店では飛騨名物高山ラーメンを提供している。
出身は糸守町で、瀧がテーブルに出した糸守湖のスケッチが目に止まり、現在の糸守町へと瀧たちを導くことになった。それ以来、飛騨滞在中は何かと世話を焼いてくれる。
瀧が描いた糸守湖のスケッチについて「あれはよかった」と感謝を述べる。
宮水 二葉(みやみず ふたば)
CV:大原さやか
三葉・四葉の母親。故人。
元々身体は丈夫ではなく、三葉が幼い頃に病気で亡くなった。夫の俊樹とは愛し合っていたが、二葉の死は俊樹が宮水家を離れるきっかけとなってしまう。
一葉・三葉と同様、「知らない誰かと入れ替わる夢」を見る体質を持っていたことが示唆される。